加賀友禅技術保存会会長でもある二代由水十久氏に来店いただき、座談会を開催しました。
万葉集やギリシャ神話、大陸から伝わった文化的な背景をテーマに、歴史を感じる作品の数々についてお話いただきました。
草花をモチーフにしたデザインが多い加賀友禅にあって、十久氏は模様としてもっとも扱いにくいとされる人物画、特に童(わらべ)を題材にして独自の世界観を作り上げています。
髪の毛の一本一本から服装の細かい部分まで友禅で仕上げるのは並大抵の技術ではなく、まさに十久氏ならではの職人技で、加賀百万石の伝統を受け継ぎながら、練りに練った構成とデザイン、表現、世界観を作品にうつし込んでいきます。
「その人を守り、育て、輝かせるものがきもの」、「あくまでも着る人が主役」なのだと、由水十久氏は語ります。